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吉野山遊花図 (ヨシノヤマユウカズ)

110-541R

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吉野山は平安時代頃から祈りをこめて桜が植え続けられてきました。特に桜が数多く集まる所があり、いずれも一目千本と呼ばれ、山下の北から山上の南へと順に下千本・中千本・上千本・奥千本と呼ばれており、その数は約3万本にも及ぶといいます。春の桜咲く吉野山は古今和歌集にも登場し、松尾芭蕉にも詠まれ、豊臣秀吉も花見に赴いたといわれる名所。平安の世に貴族たちが雅楽とともに花見に興じた、雅やかな空気と華やかで美しいさまを打掛に表しました。衣裳いっぱいにあしらわれた桜は、ふっくらと織り上げられ、金箔が細かにさす杢地とともに、唐織綴ならではの品のある優しさに満ちています。

[ 組織、技法 ]

吉野山は平安時代頃から祈りをこめて桜が植え続けられてきました。特に桜が数多く集まる所があり、いずれも一目千本と呼ばれ、山下の北から山上の南へと順に下千本・中千本・上千本・奥千本と呼ばれており、その数は約3万本にも及ぶといいます。春の桜咲く吉野山は古今和歌集にも登場し、松尾芭蕉にも詠まれ、豊臣秀吉も花見に赴いたといわれる名所。平安の世に貴族たちが雅楽とともに花見に興じた、雅やかな空気と華やかで美しいさまを打掛に表しました。衣裳いっぱいにあしらわれた桜は、ふっくらと織り上げられ、金箔が細かにさす杢地とともに、唐織綴ならではの品のある優しさに満ちています。

[ 文様の意味 ]

記帳は平安時代より室内を仕切り、装飾に用いられる道具。貝桶は平安時代の貴族たちの遊びである貝合わせの貝をおさめるもの。一対を組み合わせる貝合わせの用具は結婚の縁起物とされている。またこれらは人々のあこがれであった雅やかな王朝の風景を表すモチーフである。鈴や鼓といった鳴り物は魔除けとされ、桜は人生の春を表し、紅葉は秋を表す。

[ その他 ]

●コンセプト 平安貴族が吉野山へ花見に赴くという風景を想い、山々に桜と紅葉を全面に配して、ポイントには鼓や記帳、文箱などを描いて平安王朝を思い起こさせるようにした。鳴り物である鼓や笙、舞をあらわす鳥兜は花見で遊ぶ様をイメージした。